設計の小林です。
再来週、市内で棟上げが行われます。
棟梁は若い女性大工の『寺ちゃん』です。
今回、墨付けから手刻みまで初めての経験となります。
師匠の『富さん』のアドバイスを受けながら、慎重にていねいに作業を進めており、現在順調に進んでいます。
手刻みには天然乾燥(自然乾燥)材を使用しますが、人工乾燥のように高温で強制乾燥しないため、
木材の細胞が生きていて、樹液も中心の赤身の部分に残ってくれています。
よって構造的にも『粘り』があり、表面には後で自然な乾燥割れが生じますが、(構造的には問題ありません)、
人工乾燥の時に生じる内部割れが無く、年月が経つほど強度が増すといわれています。
また樹液(木が自分を守るために蓄えていたもの)が残ってくれているので、
特に中心部はシロアリにも強く、腐れにくい特質も保持しています。
さらに外周部は細胞が生きていてくれるので、調湿効果があり、臭いを吸ってくれる効果もあります。
このような自然乾燥材を使った大工さんの伝統技術が、
若い大工さんに引き継がれることが、現代、特に重要になってきています。
新築だけでなく、リフォームに関しても、
建てられた時の家のことがわからないと本格的なリフォームはできないですからね。
再来週、立派な上棟になるでしょう!