耐震補強と建物の重心と剛心

耐震補強と建物の重心と剛心

耐震補強と建物の重心と剛心

2020年03月22日
テーマ
雑学

設計の小林です。

前回、耐震補強に関して、耐力壁(地震や台風などの水平力に対して、対抗する壁です)の
配置ののバランスについてちょっと書きました。
本日はその事に関しましてもう少し述べさせていただきます。

建物には、その重量の中心である『重心』が存在します。
また、耐力壁を、X方向、Y方向それぞれ配置していきますと、建物全体が、剛(変形しにくく)になっていきます。
その際の剛さの中心を『剛心』といいます。
『剛心』は耐力壁の配置の中心です。
それぞれの耐力壁の強さが異なる場合も考慮して算出されます。

そして、この『重心』と『剛心』の位置が近いというのが理想ですが、距離がが遠く離れると、その延長線上の方向のが、
地震時、台風時に捻じれの力を受けて、場合によっては倒壊の場合も考えられます。
『剛心』を支点とした『重心』のおもりが揺れるイメージです。
よって、『剛心』と『重心』の距離やそれらの点から延長方向の建物の外壁までの距離が大きいほど捩じれの大きさは大きくなります。

よって、耐震補強においてはこの弱点となる延長方向に耐力壁を追加したり、既存の耐力壁があればそれを強化することで、
弱点部分の捩じれが小さくなり、『重心』と『剛心』の距離が縮まり、体力壁のバランスもよくなり、倒壊の危険性も減少します。

また続きは次回に述べさせていただきます。

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