木と水と土と米作りの話 その3

木と水と土と米作りの話 その3

木と水と土と米作りの話 その3

2021年07月25日
テーマ
雑学

設計の小林です。
本日は、ちょっと中段しておりました、木と水と土と米作りの話の続きをさせていただきます。

近頃、ようやく、森林の大切さがよく言われるようになりましたが、では、なぜ必要かという事を考えてみたいと思います。
もちろん、木材の供給源であるし、水源も涵養します。
山崩れの防止、気温の調節、大気の浄化、野鳥を育てる、生態系を守る、森林浴のもとのフィットチンドを出す、
そしてCO₂の固定等地球温暖化に関わる働きももちろん重要です。
そして、それらの事をまとめてみると、『土壌をつくっている』という重要なことに繋がっていきます。
水は土壌の産物ですし、汚物を分解し、処理できるのも、土壌しかないといえます。
そして、その土壌の形成者が、森林です。
このことで、森林の大切さが説明できると思います。
その土壌は、日本列島にあっては、放っておいても勝手にできてくれるというものではなく、
人間が育て上げてきた歴史の産物で、その結果として出てくる水も、人間の労働の産物でありました。

日本が世界に胸を張って誇れるものの大きな一つが、『木を植える文化』でありました。
日本は木を切っては植え、緑を絶やさなかった国で、これは世界の中の奇跡であると言えます。
高度に発達した文明国の中で、足元の土壌をつぶさずに、一つのところで、
1万年もの間(縄文から1万年、稲作到来から3000年近く、)文化を栄続けてきた国、
そんな国はほかにはあるでしょうか?
西欧の諸文明が森林を破壊することで文化を育ててきたことに対し、
日本は日本は木を植えることで文化を育ててきた文明国だったのです。
では、奇跡はなぜ起こったのでしょうか?
その秘密を解くカギこそ、『米』であり、特殊な自然条件のもと、日本人は、
米作りを通して、緑の国土を育て上げてきたと言えます。

また次回に続きを書かせていただきます。

森林と川_mura.png

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