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1961年~2020年の60年間に、マグニチュード6.0以上の地震は、世界中で8,457回発生していますので、平均すると、毎年141回発生しています。実に、1週間に3回のペースになります。
 
                  
| 年代 | 1961~1970年 | 1971~1980年 | 1981~1990年 | 1991~2000年 | 2001~2010年 | 2011~2020年 | 合計 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| M6.0~M6.9 | 1,232 | 957 | 1,231 | 1,391 | 1,451 | 1,298 | 7,617 | 
| M7.0~M7.9 | 133 | 115 | 118 | 144 | 140 | 135 | 791 | 
| M8.0以上 | 9 | 5 | 4 | 7 | 13 | 10 | 49 | 
| 合計 | 1,374 | 1,077 | 1,353 | 1,542 | 1,604 | 1,443 | 8,457 | 
| 年代 | M6.0~M6.9 | M7.0~M7.9 | M8.0以上 | 合計 | 
|---|---|---|---|---|
| 1961~1970年 | 1,232 | 133 | 9 | 1,374 | 
| 1971~1980年 | 957 | 115 | 5 | 1,077 | 
| 1981~1990年 | 1,231 | 118 | 4 | 1,353 | 
| 1991~2000年 | 1,391 | 144 | 7 | 1,542 | 
| 2001~2010年 | 1,451 | 140 | 13 | 1,604 | 
| 2011~2020年 | 1,298 | 135 | 10 | 1,443 | 
| 合計 | 7,617 | 791 | 49 | 8,457 | 
参考:U.S. Geological Survey(米国地質調査所)地震統計
日本では、マグニチュード6.0~6.9の大地震が、年平均で約10回。マグニチュード7.0~7.9の巨大地震が、年平均で約1回。マグニチュード8.0を超える超巨大地震が、20年に1回の割合で発生しています。2011年の東日本大震災は、マグニチュード9.1。2003年の宮城県沖地震 は、マグニチュード8.2。1968年の十勝沖地震は、マグニチュード8.2と記録されています。(マグニチュードの値については、米国地質調査所と日本の気象庁の発表に差異が発生しています)
 驚くべきことに、世界で発生しているマグニチュード6.0以上の地震の7.5%が、日本で発生しているのです。1961年~2020年の60年間に、マグニチュード6.0以上の地震は、日本で635回発生しています。年平均で約11回ですから、ほぼ毎月、マグニチュード6.0以上の地震が発生していることになります。
| 年代 | 1961~1970年 | 1971~1980年 | 1981~1990年 | 1991~2000年 | 2001~2010年 | 2011~2020年 | 合計(日本/世界) | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| M6.0~M6.9 | 123 | 50 | 77 | 93 | 81 | 147 | 572(7.5%) | 
| M7.0~M7.9 | 17 | 5 | 6 | 8 | 14 | 10 | 60(7.6%) | 
| M8.0以上 | 1(十勝沖地震) | 0 | 0 | 0 | 1(宮城県沖地震) | 1(東日本大震災) | 3(6.1%) | 
| 合計 | 281 | 110 | 166 | 202 | 191 | 315 | 635(7.5%) | 
| 年代 | M6.0~M6.9 | M7.0~M7.9 | M8.0以上 | 合計 | 
|---|---|---|---|---|
| 1961~1970年 | 123 | 17 | 1 | 281 | 
| 1971~1980年 | 50 | 5 | 0 | 110 | 
| 1981~1990年 | 77 | 6 | 0 | 166 | 
| 1991~2000年 | 93 | 8 | 0 | 202 | 
| 2001~2010年 | 81 | 14 | 1 | 191 | 
| 2011~2020年 | 147 | 10 | 1 | 315 | 
| 合計 (日本/世界) | 572 (7.5%) | 60 (7.6%) | 3 (6.1%) | 635 (7.5%) | 
2016年4月に熊本地震が発生しました。震源から約65kmの鳥栖市では、最大震度4が観測されました。
この熊本地震の特徴は、震度7が2回、震度6が5回と、直下型地震が連鎖的に発生したことです。建物の構造は、1回の地震にどれだけ耐えることができるかを前提に、設計されてきました。震度6~7回の揺れを、繰り返し7回も受けることを想定していなかったのです。ここに、人間の知恵が及ばない、自然力の怖さがあります。熊本地震が発生する前は、一般的に市民の間で「熊本では地震が起きない」と言われていたようです。
下記の図は、九州北部の活断層と、2016年4月に発生した熊本地震の発生状況をプロットしたものです。この活断層地図では、熊本は、西日本を横切る長大な断層の連なり「中央構造線」の西端に当たることがよくわかります。
 
                  
        鳥栖市は、筑後川流域の佐賀平野の東側に位置しています。北に脊振山地、東は福岡県南部の田園地帯、南は耳納山地・筑後山地、西に佐賀平野・筑後平野が続いています。平野部では、活断層が確認されていませんが、周囲の山地には活断層が確認されていますので、熊本地震のような都市直下型の地震が発生する可能性があります。
 
                  
        耐震基準とは、建築物の構造が地震に耐えることができるかどうかの指標です。1919年(大正8年)に「市街地建築物法」制定され、木造の建物の耐震基準が規定されました。1923年(大正12年)9月1日の関東大震災が発生し、甚大な被害があったことから、1924年(大正13年)に「市街地建築物法」が大改訂され、木造の柱を太くすることや、鉄筋コンクリート造の耐震基準も規定されました。
図中の〇内数値は、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が16万棟の耐震診断結果から算定した、建築年別の総合評点。
 
                  
9月1日は防災の日
台風・高潮・津波・地震などの災害についての認識を深め、それらの災害に対処する心構えを準備するためとして、1960年に内閣の閣議了解により制定されました。また、1982年からは9月1日の「防災の日」を含む1週間(8月30日から9月5日まで)が「防災週間」と定められています。9月1日という日付は、1923年9月1日に発生し、10万人以上の死者・行方不明者を出した『関東大震災』に由来しています。
「市街地建築物法」が廃止され、昭和25年(1950年)5月24日に「建築基準法」が施行されました。建築基準法は、新たな建物を建築する際に、建築の基準となる諸条件を定めた法律です。この建築基準法において、木造や鉄筋コンクリート造の建物に関する耐震基準が規定され、10年に一度発生すると考えられる中規模の地震動(震度5強程度)に対して、家屋が倒壊・崩壊しないようにというものでした。1981年5月まで約30年にわたり運用され、旧耐震基準と呼ばれています。
旧耐震基準では、震度5強よりも大きい大規模の地震動(震度6強~7程度)は、想定されていませんでした。
1978年(昭和53年)に、マグニチュード7.4の宮城県沖地震が発生し、仙台市では最大震度5が観測されました。建物は旧耐震基準で設計されていたため、建物全壊1,377棟、半壊6,123棟、一部破損125,370棟、死者27名、負傷者10,962名という甚大な被害がありました。
宮城県沖地震をきっかけに、1981年(昭和56年)6月1日に建築基準法が改正されました。中規模の地震動(震度5強程度)で、家屋がほとんど損傷しない、大規模の地震動(震度6強~7程度)で、家屋が倒壊・崩壊しないようにするという、耐震基準の大改定がありました。この基準は、現在においても引き継がれており、新耐震基準と呼ばれています。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)が16万棟の耐震診断結果から、建築年別の総合評点を算定し公開されました。
 総合評点が「1.0」を超えると「安全」とされ、総合評点が「1.5」を超えると「倒壊しない」とされています。
| 建築年(西暦) | 1950年~1971年 | 1972年~1981年 | 1982年~1986年 | 1987年~1991年 | 1992年~1996年 | 1997年~2000年 | 2001年以降 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 建築年(和暦) | 昭和25年~昭和46年 | 昭和47年~昭和56年 | 昭和57~昭和61年 | 昭和62年~平成3年 | 平成4年~平成8年 | 平成9年~平成12年 | 平成13年以降 | 
| 平均評点 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 1.0 | - | 
| 建築年(西暦) | 建築年(和暦) | 平均評点 | 
|---|---|---|
| 1950年~1971年 | 昭和25年~昭和46年 | 0.4 | 
| 1972年~1981年 | 昭和47年~昭和56年 | 0.5 | 
| 1982年~1986年 | 昭和57~昭和61年 | 0.6 | 
| 1987年~1991年 | 昭和62年~平成3年 | 0.7 | 
| 1992年~1996年 | 平成4年~平成8年 | 0.8 | 
| 1997年~2000年 | 平成9年~平成12年 | 1.0 | 
| 2001年以降 | 平成13年以降 | - | 
1.5以上 ◎ 倒壊しない
1.0以上~1.5未満 ○ 一応倒壊しない
0.7以上~1.0未満 △ 倒壊する可能性がある
0.7未満 × 倒壊する可能性が高い
では、地震が起きるとどのくらいの被害を受ける可能性があるのでしょうか?
下の耐震チャートで見てみましょう!!
総合評点が0.7の木造住宅の場合、震度6の地震で大破に至ります。建物の多くで、外壁の剥離や窓や扉の開閉の不具合が発生し、避難生活を余儀なくされます。
また、総合評価1.0であっても、震度6強の地震で、大破に至ります。総合評価1.3の建物でも、震度7の地震で、大破に至ります。
震度7の地震が発生した場合、総合評価1.0以下の木造住宅は、倒壊となります。
 
         
        出展:井戸田秀樹、嶺岡慎吾、梅村恒、森保宏:在来軸組木造における一般耐震診断の評点と損傷度の関係
耐震改修促進のための意思決定支援ツールに関する研究(その1) 日本建築学会構造系論文 第612号、pp125132 2007年2月
日本は大地震が頻繁に発生しています。言い換えれば、多くの教訓を学んで来ています。古い建物ほど、耐震性能が低くなっていることが解かっています。それは、以前建てた時の建築基準法が今の基準と違い、現在の耐震基準を満たせていない場合があるからです。家族の命を守るために「耐震診断」を行ってください。地震に対してマイホームがどれだけの強さを持っているかを調べ、総合評点で確認していただきたいと、切に思います。
◆事前準備
現地調査当日には、床下や屋根裏の調査も行いますので、床下収納庫や押入れの整理等ご協力お願いします。
◆現地調査当日
所要時間の目安は約2時間程度です。
◆診断書の作成、診断結果報告
約2週間程度で診断結果報告書をお届けします。
 
                  
耐震診断表を使って、調査内容を記録します。
 
                  
外周を確認。外壁の劣化やひび、屋根の劣化などが無いか確認します。
 
                  
建物内では、間取りや壁の材質、劣化箇所の有無を確認します。
 
                  
床下点検口や押入れから、床下・小屋裏の確認を行います。
 
                  
基礎のひび割れは、その幅や長さをチェック。劣化の度合いを調べます。
 
                  
診断結果報告書で、住まいの耐震性が総合評点でわかります。

出展:国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター・活断層データベース
219-01 みのう
水縄活動セグメント
所属起震断層名 : 水縄起震断層
福岡県南部,耳納山地の北縁をほぼ東西方向に延びる南側隆起の正断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),都市圏活断層図「久留米」による.
214-02 かまとうげ
嘉麻峠活動セグメント
所属起震断層名 : 西山起震断層
福岡県北部を北西-南東方向に延びる左横ずれ断層.
断層位置は地震調査研究推進本部(2013)による.
321-01 かわくぼ
川久保活動セグメント
所属起震断層名 : 川久保起震断層
佐賀県東部をほぼ東西方向に延びる北側隆起の正断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991),中田・今泉(2002)による.
320-01 いたやとうげ
板屋峠活動セグメント
所属起震断層名 : 板屋峠起震断層
福岡県西部から佐賀県東部にかけて北西-南東方向に延びる左横ずれ断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991)による.
342-01 ひなたとうげ-おかさぎとうげ
日向峠-小笠木峠活動セグメント
所属起震断層名 : 日向峠-小笠木峠起震断層
福岡県北部を北西-南東方向に延びる左横ずれ断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),都市圏活断層図「福岡」,「脊振山」による.
215-01 けご
警固活動セグメント
所属起震断層名 : 警固起震断層
福岡県北部を北西-南東方向に延びる左横ずれ断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),都市圏活断層図「福岡」による.
341-01 うみ
宇美活動セグメント
所属起震断層名 : 宇美起震断層
福岡県北部を北西-南東方向に延びる左横ずれ断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),都市圏活断層図「福岡」,「太宰府」による.
214-01 にしやま
西山活動セグメント
所属起震断層名 : 西山起震断層
福岡県北部を北西-南東方向に延びる左横ずれ断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991),中田・今泉(2002)による.
211-14 はねやま
万年山活動セグメント
所属起震断層名 : 別府-万年山起震断層
大分県西部をほぼ東西方向に延びる北側隆起の正断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),都市圏活断層図「森」による.
211-15 かめいしやま
亀石山活動セグメント
所属起震断層名 : 別府-万年山起震断層
大分県西部をほぼ東西方向に延びる南側隆起の正断層.
断層位置は九州活構造研究会(1989),活断層研究会(1991),中田・今泉(2002),都市圏活断層図「森」による.