先週の続編、柿渋について

先週の続編、柿渋について

先週の続編、柿渋について

2021年12月12日
テーマ
雑学

設計の小林です。
本日は先週の続編で、柿渋について書かせていただきます。
柿渋は渋柿の未熟段階のものを粉砕・圧搾し、それを発行・熟成させて得られる抽出液です。

赤褐色の半透明の液体で、タンニン(カキタンニン)を多量に含みます。
先週書きました様に、2020年には、奈良県立医科大学により、
柿渋に新型コロナウイルスを無害化させる作用が発見されました。

その歴史は古く、10世紀ごろから漆の下塗に、また衣類には平安時代から使用されていた記録が残っています。

柿渋はカキタンニンによる防虫・防腐効果や、渋柿が発酵する過程で生じる糖分によって、防水効果も発揮します。
よって、渋柿は糖分を含んでいて、透湿性があり、空気中の水分を取り込んで固化する性質があります。

用途としては、木造建築や木工品の漆塗の下塗や、縄灰と混ぜて外壁の塗装にも使用されていたようです。
また、漆は高価なので、庶民の間では、柿渋をそのまま仕上げとして塗られていました。
防腐・防水・防虫・抗菌作用もあるので、広くひろまったのでしょうね。
近年では、塗料として利用が少なくなってきましたが、シックハウスの症状を起こさないという事で、
再評価されてきています。

また、紙に塗って乾燥させると硬く頑丈になり、防水効果もあるので、
かつては傘やうちわ、紙衣としても用いられていましたが、
近年は、インテリアとしても紙に塗られたものが、インテリアの要素としても使われています。

柿は昔から、生活の中でいろんな用途として、とても重宝されてきた果物だったんですね。

柿fruit_kaki.png

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