たまに使う数学

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たまに使う数学

2019年07月07日
テーマ
雑学

小林です。

建築の設計では、最近はコンピューターが普及してますので、昔習った数学を使う機会は少なくなりましたが、
昔私の修行時代は、いろいろと手計算が必要となる事もありました。
本日はその昔話をちょっとだけ。

良好な住宅地として指定された地域に住宅を設計する場合、北側のお隣に陽が当たるように配慮しないといけませんが、
(北側斜線以下に建物の高さを抑えるという規定です)
お隣の平均の地盤が、建築地の地盤よりもある程度高い場合は、緩和措置がありまして、
昔、その緩和を使わないと2階建てが建てられない敷地がありまして、
役所への申請の際に、お隣(かなり3次元的に高低差がありました)の平均の高さを
算定して、高低差を証明しなければならないという事になりました。

平均の高さは、全体の土の体積を、面積で割って算出しますよね。

問題は、そのでこぼこの土の体積ですが、パソコンのない当時、現地の測量で求められる方法をいろいろ考えまして、ある公式のようなものを考えました。

それは、
1.  3次元的にでこぼこなポイントをいくつかとって、(それぞれのポイントの高さを測って)それらを3角形の集合体とする。
2.  それぞれの三角形の立体のユニットに分割して、それぞれの体積を求める。
3.  その体積の算出に関しては、添付のスケッチの様に、3点の一番低いポイント(図中のA点)で水平に切って、上下二つに分割して、それぞれ体積を求める。
  (下部は三角柱ですし、上部も底辺が台形の四角錐なので体積が求まります。)

4.  そしてそれらを合計すると、そのユニットの体積は3点(A、B、C)の平均の高さ×底面積という公式のようなものにまとまりました。

その結果を用いまして、全体の体積を合計して、全体の底面積で割って、平均地盤の高低差を証明して、
何とか建築にこぎつける事が出来ました。

最近はパソコンがあるから便利ですよね!
私もたまにボランティアで家の近所の子供たちに数学や理科を教える機会がありますが、
昔を思い出す事ができて、老化防止のトレーニングとしてもいいのかも?とも思っている今日この頃です。

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