国が推奨する、建物の耐震化について その1

国が推奨する、建物の耐震化について その1

国が推奨する、建物の耐震化について その1

2020年03月08日
テーマ
雑学

設計の小林です。
先週、関東の方へ、住宅の耐震化の研修に行ってまいりました。
現在、新型コロナウイルスの問題で日本中が大きく揺れておりますが、
また同時昨年の教訓から今年の夏にも襲来が予想されます大型台風への対策、
そして近い将来の発生が予測されます南海トラフ地震への備えなど、
住宅の耐震(耐風)の問題も急務となってきているようです。

特に既存住宅のリフォームをお考えの方には、ぜひ耐震診断のチェックも受けていただければという事でした。
まずは皆さんの住宅の健康状態を知っていただく事が大事なことだという事でした。

その研修の内容と私の考えも含めまして、
今後数回このブログにまとめてみたいと思っております。

まず、新築の際に守るべき国の法律である『建築基準法』に定めてある木造住宅の耐震の性能についてお話します。

この基準は昭和25年以降、これまで数回見直されて耐震に関してもその都度厳しくなってはおりますが、
現行の最新の基準もあくまでも『最低限守らなければならない基準』であって、
その主旨は、
『①  建物が建っている間に一度遭遇するかしないかの震度7のような大地震では、とにかく建物が倒壊せず、人命が何とか守られる。
 ② 建物が建っている間は数回おこるかもしれない震度5ぐらいの中規模地震に対しては、建物が大きく損傷せず、その都度修理すれば住み続けることができる。』
という2つの主旨から基準が定められています。

しかし、現実には震度は7までしか設定されていないので、とてつもなく大きな地震も同じ『震度7』としか表示されず、
今後の南海トラフ地震に対してはさらなる検討の必要性がありそうです。

そしてもう一点は、熊本の地震のように震度7クラスの地震が余震・本震と2度連続して起こった場合、
余震で何とか持っていた最新の基準の住宅が本震で倒壊したという事もありました。

このように最新の基準によって建てられた新しい住宅でも、
今後の災害に対して検討が必要な場合もありますので、それ以前の基準で建てられた建物については、
リフォームをお考えの際には是非耐震診断をお勧めします。

現在の耐震基準を『1』とした場合、リフォームでの目標は『0.7』程度以上を目標としていただきたいという事が国の基本方針のようです。
自治体によっては補助金制度もあります。

ちょっと長くなりましたので、詳しくはまた次回に書かせていただきます。

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