暮らしの中の仏教まめ知識 第11回 『サンダル 草鞋 草履』

暮らしの中の仏教まめ知識 第11回 『サンダル 草鞋 草履』

暮らしの中の仏教まめ知識 第11回 『サンダル 草鞋 草履』

2020年08月31日
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暮らしの中の仏教まめ知識

サンダルは、板を意味するsandalionというギリシャ語に由来する名前だそうですが、紀元前2000年頃のエジプトには、既にあった履物です。
熱い砂から足の裏を護るために考案されたようです。
これがインドへも伝わり、お釈迦様の時代には、インドでも使われていました。
しかし、インドは砂漠の国ではありませんので、修行者達は裸足で歩いていたようです。
仏教教団でサンダルが使われるようになったいきさつに、こんなお話があります。

お釈迦様にソーナという若い弟子がいましたが、お坊ちゃん育ちで足の裏はとても柔らかく、経行(きんひん、一定の場所を同じペースで歩き続ける修行)が苦手でした。
ソーナの足の裏は傷つき、血が流れ、修行道場が血だらけになってしまう程でした。

ソーナは皆に申し訳なく思う一方、そんなに努力しても覚れない自分にガッカリして、修行をやめてしまおうと思うようになりました。

お釈迦様はそんなソーナを見て、こう言いました。
「ソーナよ、修行は頑張り過ぎてはいけない。サンダルを履()いて修行してみてはどうか」
「私一人だけがサンダルを履くわけにはまいりません。」
「それなら、全てのものにサンダルを履くことを許します。」
以後、ソーナはサンダルを履いて、怠けることなく、無理もせず、丁度よい精進をして、覚りを開いたそうです。

仏教が中国に伝わると、修行者は「草鞋」を履きました。
主に稲藁(いなわら)を編んで作った履物で、只つっかけるだけでなく、紐(ひも)を使って足に括(くく)り付ける方式の履物です。
草鞋はソウアイとかソウカイと読みますが、日本では「わらじ」と読まれてきました。
藁で出来た藁沓(わらぐつ)が転じてワラズとなり、更にワラジになったようです。
日本では草鞋に鼻緒(はなお)が付けられ、藁草履(わらぞうり)を経て、日本独特の「草履」という履物となりました。
現在では、外反母趾への対処など健康面や、足だけでなく体全体、神経や脳までが鍛えられるということで、子どもの発育の面でも、草履での生活が見直されています。

参考 「暮らしの中の仏教語」HP、「ケンコーミサトっ子」HP、ウィキペディアなど

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