暮らしの中の仏教まめ知識  第15回『安心(あんじん、あんしん)』

暮らしの中の仏教まめ知識  第15回『安心(あんじん、あんしん)』

暮らしの中の仏教まめ知識 第15回『安心(あんじん、あんしん)』

2021年04月29日
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暮らしの中の仏教まめ知識

皆さまは「安心」という言葉を日常的によくお使いになると思います。
意味は「心配事がない、気持ちが安定した状態」となります。
実はこの「安心」も仏教語であることをご存じでしょうか?

皆さんは、「安心」を「あんしん」と読みますよね。
でも、仏教では、これを「あんじん」と読みます。
「安心」の本来の意味は、「仏法によって揺るぎない、何ものにも侵されない心の安定を得ること、その境地」のことです。

ここから、様々な意味が派生していきました。
たとえば、「心を一点に集中させて、動揺しなくなる状態のこと」「心を安んずること」という意味でも使われるようになりました。

最も早く「安心」の語を用いたのは禅宗で、《続高僧伝》巻十六の菩提達磨(ぼだいだるま)の伝に、
達磨大師(だるまたいし)が壁観(へきかん。壁に向かって座禅すること・・・異説あり)によって
仏道と冥合(みょうごう)こと、すなわち「悟りのこと。大悟(だいご)のこと」を意味して用いられています。

天台宗では、天台大師である智顗(ちぎ)が止観(しかん。静かに集中するとこ。)を達成して
法性(ほっしょう)の理(り)に安住することを「安心」と表しました。
つまり、仏様の教えにより心の平安を得て、動ずることがない境地を意味します。

善導大師(ぜんどうたいし)以後、浄土系諸宗では広くこの「安心」を用い、阿弥陀仏の救いを信じて浄土往生を願う心を表現しました。 

特に浄土真宗では安心を重視していますので、宗祖の教えに背いて異なった安心の説を唱えると
「異安心(いあんじん)」として厳しく処断されることとなります。

参考 「平凡社世界大百科事典」、「仏教のことば」HP、「えっ?!こんなところに仏教語!」など

照寺(ほんしょうじ)住職  木村 映之(きむら ひでゆき) 住所 佐賀県鳥栖市本町1886 電話 0942824461
○浄土真宗東本願寺派 雲山来迎院(ずいうんざんらいごういん) 本照寺(ほんしょうじ)
※どなたでも参加できる行事…ボイストレーニング教室、ヨガ教室、坐禅会、寺子屋(小学生)、オカリナを楽しむ会、木曜会(いすヨガ・法話・茶話会)
※新納骨堂…令和33月8日お参り開始。加入者募集中。

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