木と水と土と米作りの話 その11

木と水と土と米作りの話 その11

木と水と土と米作りの話 その11

2021年10月03日
テーマ
雑学

設計の小林です。
本日は前回のお話の続きで、このシリーズの最終回になります。

お米は、世界のあらゆる食料の中で最も理想的な作物であったそうです。
アダム・スミスも、彼の経済論の中で、そのことを書いているそうです。

そして、その米が、日本の風土によくあったそうです。
日本のご先祖たちは、その米を国土に根付かせるべく、一つの土地に労働を投じ続け、
ついに、世界一豊かな土壌を作り上げました。
すでに江戸時代(19世紀)、ヨーロッパで一人養う面積があれば、日本では15人養う事ができたそうです。

この狭い国土に大量の人口を擁しながら、なお国土の70%を森林として残しえたのもそのおかげでした。
逆に言えば、それほどの森林を残し育ててこそ、豊かな生産力を実現し得たとも言えます。

21世紀の資源は水と土です。
そして環境問題からいえば、自国の食料は、可能な限り自国の土壌でまかなうのが、一番でしょう。
日本の土壌は、地球の財産でもあるのです。
そしてもしも日本人が米作りを放棄したならば、私たちは山の緑も川の水も失う事になるのです。

地球環境問題の世界の合言葉は、『持続可能な開発』です。
日本人は、そのことを当たり前のこととして、2000年以上も続けてきました。
いわば、世界のお手本と言えるでしょう。

私たちはもう一度、足元の国土を見直す必要があります。
自分たちの文化をその土台から評価し直し、ご先祖たちが現代に贈ってくれたこの国土の山紫水明を、
世界の財産として次代に引き継がせねばならないと思います。

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